前回、各マンションに豪華な事務室を作っているというオーナーの物件を見学させていただきましたが、今回は、そのオーナー所有の介護付有料老人ホームを見学させていただきました。こちらの物件も、ホテルと見まごうほどの豪華さです。
お年寄りが暮らす各部屋は、トイレ浴室完備、デザイナーが工夫をこらしたであろう凝った照明や、オーナー自信の考案によるアイデア設備が、随所にあります。
各階にカフェがあり、テラスがあり、お庭の散歩も気持ちよくできるようになっています。
それでいて、入居金は、格安! 入居一時金ゼロ!
BONBON父は特別養護老人ホームに入所しておりますが、そこより安いです。
で、BONBON母は、「素晴らしい施設ですね!私がヨボヨボになったらお世話になりたいです。」と本気か冗談かつかみかねる感想を述べましたところ、オーナーの反応が微妙でした。
「いやあ、介護は箱より中身ですよ・・・」
さて、どういう意味でしょうか?
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介護付有料老人ホームとは
ちなみに介護施設と老人ホームでは制度上の違いがあります。
特養や老健と呼ばれる介護施設は、入所そのものが介護保険の対象ですが、有料老人ホームというのは、基本的に賃貸物件(分譲もあり)に住むという形式でして、そちらに介護保険で利用できるヘルパーなどの介護サービスが付属していますよ、ということです。
建物が、バリアフリーだったり、共同の食堂や大浴場が別にあったとしても、賃貸(または分譲)住宅の扱いなのです。(指定を受けるのに、いろいろ条件はあります。)
介護施設の良し悪しは結局職員次第
こちらのオーナーは、建物だけのオーナーであり、中の運営は他の介護事業所です。早い話が、テナントに貸しているというだけのことですね。
で、オーナーの発言の意味ですが、いくら建物を豪華にしたところで、びっくりするのは最初だけで、慣れてしまえば、利用者はなんとも思わないし、そもそも認知症の人ばかりで散歩もしない。
事業所は人手不足で、せっかくのカフェもひとつしか使っていないし、掃除や庭木の手入れもできていない。おしゃれな電灯も、電気代がかかるので、飛び飛びにしか点けていない。
あんまりお金をかけた値打ちがなかったということでした。
介護施設のオーナー
マンションなどに比べて、やたらパーセンテージを占める共有部分の電気代などはオーナー負担なので、たいへん。
利用者にしてみたら、建物がゴージャスなことより、人手を増やして、十分にお世話をしてもらったほうが嬉しいだろう、ということなのでありました。
大家という立場であれば、家賃が入ってくれば良しのはずですが、こちらのオーナーは、前回のマンションを見てもわかるように、不動産経営に情熱を注ぎ物件を愛しておられる人なので、せっかくの設備が十分生かされていないことに、大いに不満なのでありましょう。
ほったらかしで楽できるからという理由で、区分マンションを選ぶBONBON家の方針とは大分違うのであります。
オーナーの姿勢に感動しつつも、人の轍は踏むまいと勉強させていただいたのでした。