BONBON家所有のマンション(区分)で、おばあさんが退去するのに立ち会いました。
BONBON所有物件の中では、わりと築浅の方の、築20年です。退去されたおばあさんは、新築の頃から住んでおられました。
というわけで、入居歴20年?
と思ったら、なんと、70年。
どういうこと?
Contents
建て替え前からの入居者
この物件のある土地には、以前、BONBON家の所有する古い長屋が建っておりました。
この地区が市の市街地開発の区域にかかり、BONBON長屋は取り壊され、そのかわり、新しく建てられた分譲マンションの、5部屋ほどを割り当てていただいたのです。
おばあさんは、その前の長屋の住人だったのですね。
マンション建築中は、BONBON家の別物件で暮らしておられたみたいです。
そんなわけで、うちの母がBONBON家に嫁入りしてくるより前からおられた、最も古い入居者のお一人です。
戦時中に始まったBONBON家の賃貸業の歴史を、ほぼ、共に歩んできた生き証人ということなのです。
大家と賃借り人の関係
ただ、母の話では、友好的なお付き合いでもなかったみたいです。
戦後すぐからのお家賃のまま、ほとんど値上げもできず、市との交渉でもごね倒して、家賃の不足分は、とうとう市が補助を出したということでした。それを足しても、世間一般相場と比べると、馬鹿みたいに安い家賃でした。
私が家業に関わるようになったとき、なんじゃこれ? と思っていた3ヶ月毎の、市からの入金は、この方がゴネた成果だったのでした。
退去になって、市の方も、やれやれと、ホッとすることでしょう。
退去後は息子さんと同居するそうです。
私が見たかんじ、ヨボヨボのボケた小さいおばあさんで、とてもそんなゴネる人には見えず、当時は大声で怒鳴り倒していたという息子さんも、ヨレヨレのおじいさんで、人間、年をとって丸くなるんだな、ということでございました。
でも、出ていってもらってスッキリした、とは母の弁です。
賃貸業もいろいろドラマがあるもんですわ。
一人暮らしの老人の退去後のリフォーム
さて、年寄りの一人暮らしでしたので、そんなに部屋は傷んでおらず、壁紙、畳、給湯器、ガスコンロ、エアコンの取替、便座をウオッシュレット付きに交換、というくらいのリフォームですみそうです。
絨毯のフロアは、いまどきはやらないので、フローリング風にしましょう。絨毯は、もう、ホコリまみれでした。お年寄り一人で、掃除も行き届きませんわね。ヘルパーさんには来てもらっていたようですが、普段使っていない部屋までは掃除してくれなかったのでしょう。
家賃は当然、通常の相場で募集をかける予定です。
早く次の、ヤングなファミリーの入居者が決まるといいなあと思います。