不動産投資のキャピタルゲインとインカムゲイン

私のお友達で、大阪の梅田あたりのマンションを買って、半年後に売ったら、えらい儲かった、という人がいました。

梅田とか天王寺のあたりの地価が急上昇していた時で、うまくやりましたねえ。このあたり開発が進んでおり、まだまだ上昇していきそうです。

もともと自宅用にと思って買ったのが、売って欲しいという声がかかったそうで、ラッキーな人です。持ち続けておれば、まだまだ値上がりしたかもしれませんが、儲かったのだから、よいですね。

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不動産投資はインカムゲイン

買って売って儲ける、つまり転売ですが、こういうのをキャピタルゲインといいます。

地域やタイミングが合って、うまくいけば、一時的にごっつい儲かります。

しかし、バブルの時代ならいざしらず、不動産を買って売って儲けるのって、今の時代そうそうチャンスは多くはないと思います。

不動産って、そんなに短期間で、株みたいに上がったり下がったりするもんでもなく、基本的には、時間の経過とともに値段は下がっていくものです。(建物の場合。ボロくなっていくので。)

BONBON家では、こういうキャピタルゲイン狙いは、一切やったことがありません。売ったら損、というのが基本で、手にした物件は持ち続けています。

不動産投資は、キャピタルゲインよりインカムゲインですね。

インカムゲインとは、運用益のことですが、不動産で言えば家賃収入ということになりましょう。

もしBONBON家が梅田の物件を買ったとしたら、いかに値上がりしているといっても、売らないで賃貸に出し続けます。家賃は上げていくかもしれません。

不動産投資と株式投資との比較

株式投資にもインカムゲインとキャピタルゲインがあります。チャートを見て忙しく売り買いするデイトレードはキャピタルゲインですね。

株のインカムゲインといえば配当ですが、雀の涙みたいなもんです。

私、面白半分に株式投資もしていますが、たとえばヤフーの期末配当金は、1株あたり8円86銭でした。平成28年3月末の株価が479円でしたので、利回り1.8%というふうに考えられます。銀行の定期預金の利息よりかはマシですが、配当狙いなんて全然面白くもなんともないですね。

株の世界では、2%以上を高配当というそうです。高配当のランキングを見ていたら、親子騒動で揉めた大塚家具が上位になっていて、5%とか7%くらいみたいですね。

このくらいだと、不動産投資に近い利回りですが、配当の利回りが良くなるっていうのは株価が下がった結果、というふうにも考えられますので、いまひとつわかりにくいように思います。

だいたい株式を長期保有する人は、商品とか割引券をもらえる株主優待狙いだったりします。どっちみち買うようなものなら、株主優待でいただけるのはお得です。あまり儲ける!というイメージではありませんね。

やっぱり株で儲ける王道は、売ったり買ったりするトレードということになりましょう。損をするリスクも高いですが…。

対して、不動産投資の王道は、せわしなく売ったり買ったりすることではなく、どんと構えて、末永く細く長く、多くの店子から、ずーっと、お金をいただき続けるということですね。

「魚は殿様に焼かせよ、餅は乞食に焼かせよ」ということわざに照らしてみれば、不動産は、殿様の商売だといえましょう。(大家が殿様商売できた時代は既に終わっておりますが)

せわしくひっくり返さず、弱火でじっくり焼くイメージ?(不動産は焼いちゃいけませんが。)

長く持ち続けて、収益をいただき続けましょう。プラスが出ているうちは手放すことはないでしょう。

物件を手放す時

不動産を手放す時というのはいつかというと、その昔、BONBON家の場合は、戦後のGHQの圧力による土地改革の時だったみたいです。これは、抵抗できるはずもなく、しょうがないですね。

2代目の時は、市の開発地域にかかった時でした。

古い長屋をいったん市に売却し、キレイになったマンションの幾つかの区分を、等価交換という形で購入しましたので、手放したというより、グレードアップしてもらったかんじです。

ラッキーでした。

これからは、物件の収益と支出の収支が合わなくなってきたときが、手放すべき時になってくると思います。

銀行の勧める不動産投資

ある銀行の支店長から教えてもらったのは、「不動産物件は、出がらしになる前に手放す!」という作戦でした。

中古物件を、いいお家賃をいただける期間だけ保有して、元をとったあと、修繕だとか解体だとか、支出が大きくなる前に、売り逃げしてしまうということです。

たたき売りしても、もう元はとっているし、トータルで儲かったらよいと。美味しいところだけいただくのだと。

それを繰り返すというのが、支店長おすすめプランでした。

シミュレーションしてみて、OKなら、融資はなんぼでもしまっせ、ということでありました。

長期保有は損をすることも

BONBON家の場合、出がらし物件でもしつこく持ち続けておりまして、修繕費がかなり多くなっています。戦時中の建物なんて、完全に賞味期限は切れておりましょう。

入居者の入れ替わりが重なったりすると、リフォーム代で赤字になることもあります。

三代目の私は、思い切って新築に建てかえるか、売っぱらって次のフレッシュな中古物件を買うか、選択を迫られるところですが、ご先祖様からの土地を守らねば、という気持ちもあって、まだしばらくは、そのままでしょう。

「出がらしになる前に売り逃げ!」という考え方は、どうもなじみませんね。レンタカー屋がポンコツになった車を入れ替えるような感覚かもしれませんが、なんだかスッキリ割り切れない気もします。

しかし、その時期はもう来ておりますので、ぼちぼち真剣に考えないといけないなあ。

これから不動産投資をする人には、目先のインカムゲイン、家賃収入しか見えないかもしれませんが、遠い将来、物件が稼げなくなってきた時のことも、ちょっとはイメージしておいたほうがいいかもしれません。

人口減による空き室に、自分の物件が入るかどうかということも、これからは関係してきそうです。