建替えコンサルタント決定

マンション建替えを推進するにあたり、建替えのコンサルタントを入れよう! と、コンサル会社訪問をしたというお話からの続き。

目星をつけた二社に、マンション集会室に来ていただいて、プレゼンテーションをしてもらい、良かった方に決めよう、となりました。

さて、コンサルと契約するというのも、お金のかかる話です。この時点ではまだ、建替えするとは決まっておりません。

区分所有者の5分の4の同意がないと、マンション建替えはできませんから、コンサルにお金を払うのは、どう転ぶやらわからん話に費用をかけるということになります。

しかし、ここで費用をケチっていては、5分の4の同意も取れません。

費用は管理組合が出します。管理組合の総会で予算が承認されないと、コンサル費は出ません。

予算承認は普通決議です。議決権総数の半分が出席して、そのまた半分の承認で可決されますので、建替え反対派が少々いたところで大丈夫だとは思うのですが、それでも確実に承認されるとも限りません。

そのリスクもわかってもらってのプレゼンテーションです。

コンサル業者は、交通費もいるしプレゼン資料作成費用もかかるし、不採用になったら手間暇がパーです。採用されても、総会で不承認なら、やっぱりパーです。

そのリスク以上のメリットがあると、判断してくれた二社がきてくれました。

向こうは商売ですけど、男気ないとできませんね。

さて、不採用だった会社はどんな会社だったか、もう忘れてしまいましたが、採用は、マンション建築会社じゃなくて、もっと大きい規模の、街づくりとか地域開発とかをされているA社となりました。

その巨大企業A社と、タッグを組んでいたのが、個人事務所みたいな小さい会社Z社でして、Z社のZ社長こそがキーマンでありました。

Z社長は、スパイファミリーに出てくる髪の毛モジャモジャのフランキーを、ちょっと太らせたようなキャラクターです。(当時、スパイファミリーは知らんかったけど)

Z社長はマンション建替えに携わった経験が豊富とのことでした。街づくりのような大きな事業を手掛けているA社は、実はマンション建替えに関しては経験に乏しく、それでタッグを組んだとのお話でした。

直接担当するのはZ社長と、A社の若手社員B氏になるとのことで、プレゼンテーションの際、Z社長がこう言われたのです。

「これからの日本は、マンション建替えが増えていくが、その経験のある企業はまだ少ない。経験のある自分は、この事業を通じて、これから業界を支えていく若手を鍛えていく」

プレゼン後の採択会議で、この言葉を問題視した委員がおりました。

「そんなん、うちを研修場みたいにされたら、かなわんがな!」

私はその意見に反対。

「業界の内情まで包み隠さず話して、そのうえで正直な意気込みを語ってくれてる。とても好感が持てた。もう一社は、なんかようわからんかった。私はZ社長を推します」

それでAZコンビに決定。

このころから、私の発言力は結構、強くなっておりました。

みんなの喧々諤々した意見が出尽くしてから、だいたい私が最後に発言して、それで決まり、みたいなパターンがこれ以降、多くなります。

アホな意見とか、些末な意見とか、ピント外れな意見が飛び交って、グチャグチャになって収集つかなくなったところで、まっとうで賢く皆が納得せざるを得ない意見を、冷淡に、ときには情熱をちょっとだけ混ぜて述べる、っていうだけなんですけど。

というわけでコンサルが決定し、予算も承認され、建替え「検討」委員会は、建替え「計画」委員会へ名前も変わり、いよいよ荒れ狂う建替えの海に突っ込んでいくことになります。

だいぶ後になってからわかったことですが、実はZ社長とBONBON家には縁がありました。

戦前からBONBON家が所有していた長屋が、市の都市開発計画地域に重なって、散々な苦労の末にマンションに変わって、BONBON家は、そのマンションの区分6戸を割り与えられたことがあったのです。

20数年前の話です。私はまったく関わっておりませんでしたが、その事業こそ、当時新人のZ君が最初にかかわった建替え事業だったのでした。

個別相談会でBONBON母とZ社長が面談した時に、お互い「アッ!」と気づいたのですねー。

いやー、人のご縁とは不思議なものです。

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