台風被害と大家さん

2018年9月2日の超大型台風21号は、日頃、災害慣れしていない大阪にも大被害をもたらしました。

公園の木や街路樹はバキバキに折れ、信号や看板はひん曲がり、瓦やら太陽光パネルは飛び交い、車はひっくり返り、プレハブ住宅も転げ回り、電気は消えて真っ暗け、ついにはタンカーが関西国際空港連絡橋にぶち当たり、もう、損害総額は途方もつかないという話。

大阪で不動産賃貸業を営んでおります私のところも、結構な被害が出たのでした。

Contents

台風被害の状況 BONBON家の場合

去年も台風で浸水した物件がありましたけど、あれも台風21号(2017年バージョン)だったのです。21、縁起が悪い数字になりましたねえ。

>>2017年の台風21号

去年は、下水があふれるという、局地的な被害であり、BONBON家では、1物件だけの被害でしたが、今回は、相当に広範囲でありました。被害を受けたのは、4棟。古い木造住宅が3棟と、商業ビル1つです。

瓦が落ちたりずれたりしたのが一番多くて、あとは、ビルの防水パネルが飛んだ、エアコンの室外機が倒れて壊れた、アンテナが飛んだ、などです。よそに比べると、まだ軽いほうですね。

マンションは、ベランダの非常脱出用のパネルが飛んだくらいです。マンションは強いなあ。被害の修復は管理会社の範疇なので、BONBON家の負担はありません。こういう事も考えると、やはり区分マンション投資がいいのかも。

BONBON家の損害額は、工務店の大雑把な見積もりによると、およそ300万円くらいになりそうです。瓦屋さんが忙しすぎて現場に来れず、正確な見積もりが出ないということなのですが、保険請求用に概算で出してもらった見積もりです。

台風被害の保険適用

台風の翌日に、火災保険の担当に電話したのですが、受付さえマトモにできなかった状態でした。とりあえず、写真を撮っといて!てなことで。

というか、保険の担当者自身が被災者で、自宅の屋根が室内に落ちてきたそうです。在室していたら死んでたな、と。恐ろしい話です。

私のところの見積もりが出たのが、被害があってから1っヶ月半ほどしてから。

保険屋さんも引っ越しがすんで落ち着き、見積書と写真を渡しました。膨大な請求を順次処理中だそうで、入金はまだ大分先になるかも、というお話でした。でもまあ、大手保険会社なので、保険金が不足するような事態にはならないので安心して、でも、今後の保険料は値上がりするかも、というようなお話でありました。

大家さん仲間からの情報では、概算の見積もりで100万円ほどの請求が、すでに通ったという人もおられました。調査員がいちいち現場の確認までしないみたいです。金は足りていても、人員が全然足りないということですね。

以前、壁に車が突っ込んで来て保険請求した際は、調査にずいぶん日数がかかって、ヤイノヤイノといったものですが、被害が大きいと、かえって早いようです。大震災の津波で家ごと流されたときの保険の処理は、調査する物件そのものがないので、とても早かったというお話でした。

台風被害の賠償責任

大家仲間の友人には、落ちた瓦が、お隣の駐車場の車を破壊してしまった、という人がいました。

こういった天災の場合は、建物によほどの欠陥があった場合は別として、賠償責任はないそうです。

ただ、友人の場合、お隣さんとの付き合いもあることだし、無下にもできないので、車の所有者には車両保険を使ってもらって、自動車保険更新の際の値上がり分を負担するというような交渉になったようです。

逆に、隣の壁が落ちてきて、愛車のBMWミニが全損、という人が身近におられるのですが、隣の大家は一切交渉に応じないそうで、難儀されています。(車両保険なし)

大家に法的に責任はないのですが、このあたり、誠意というものですね。近隣とは円滑にしたいものです。

私の住んでいるマンションでは、お隣の土地に生えていた大木が倒れてきて、駐車場の車を3台ほど破壊していました。これは管理組合が、隣人と交渉中。

また、マンションの12階の屋上からは、作業用の階段が、落っこちてきて、これも駐車場の車を3台ほど破壊していました。重量がおそらく200kg~300kgくらいありそうなので、人間に当たってたらエライことになってましたね。

この責任は、どこにあるのか? 大規模修繕時に外したボルトナットを、ちゃんと戻していなかったという噂がありまして、そうだとしたら管理会社か工事施工会社かの責任が問われそうですね。

まあ、死人が出てなくてよかったですけれど。

一棟丸ごとのオーナーだとしたら、大変なことになっていると思います。

地震で倒壊した場合は大家の責任が問われます

台風の場合、建物に問題がなければ、賠償責任はないということですが、耐震基準を満たしていない建物が地震で倒壊して被害が出た場合は、所有者に賠償責任が発生する可能性はあります。工作物責任があるとのことです。

阪神淡路大震災で倒壊したところでは、大家に1億円以上の損害賠償が命じられているケースがあるのです。

今後、南海トラフ巨大地震も予想されてますし、台風もバンバンやってきそうですから、古い物件のオーナーは、補強に予算を注ぎ込んだほうがいいですね。

痛い話です。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする