フェラーリか絨毯か不動産か

人の価値観は様々なので、なにを優先させるのかは、その人の勝手ですが、不動産投資で資産を増やしていきたいと考える人は、余計なものを買ってはなりません。

大家三代目の私の親は、不動産賃貸業に勤しんできたわけですが、実は商売の方は主に母親が切り盛りしておりまして、父は、教員でありました。真面目で固い、学校の先生でした。

実際のところ、父にはそんなに投資とか経営という意識はなかったように思います。

その父が定年退職した時、わりあい結構な退職金がでました。

父は、それでいい車を買いたい、フェラーリが欲しいとか、いっておりましたが、母に却下されました。

ビルの頭金になってしまったのであります。

父親は当時、たいへん不満に思っていたようでしたが、ビルに自分のオフィスを作り、他の部屋も満室になり、いろいろ仕事もできてくると楽しくなってきたようで、ビルを買って良かった、と感じるようになってきたようです。

定年退職後の趣味が不動産経営、みたいなかんじですね。笑。

そのビルの収益で、フェラーリは無理でしたけど、ミニなんておしゃれな車を買いまして、そちらも満足。いきなりフェラーリに言っていたら、こうはいかなかったでしょう。

資産か負債か

もし、ビルを買わず、高い車を買っていたらどうなっていたでしょう？

フェラーリは特別でして、もしかしたら買った値段より高く売れたりすることもありますが、普通はどんな高級車でも消耗品です。

ガソリンとタイヤを消費して、保険だ車検だと、お金ばっかりかかって、最後はポンコツです。メリットは、乗り心地がよく、ええかっこもできて、気分が良いということくらいです。

また、インテリアにすごくお金をかける人もおられますね。高級家具とか絨毯とか。こちらは維持費はそんなにかかりませんが、お金を産み出すものではありません。

気分は良くなって、人生をハッピーにする役には立つかもしれませんけど。

しかし、投資家としてのマインドを養うためには、資産か負債かという感覚を持つことが大切です。

会計の概念では、資産というと、家とかクルマとかの売ったらカネになる物、もしくは、貸付金とか売掛金とか、いずれ入ってくるものをいいますね。

負債といえば、借入金とか買掛金とか、お金が出て行くもののことをいいます。

しかし、不動産投資の大家、ロバートキヨサキがいう資産と負債は、違っており、お金を産み出すものが資産、お金を失うものが負債です。

この考え方で行くと、お金が出て行くばかりのマイカーは、負債になるのです。投資家は負債を買っちゃダメです。

同じクルマでも、レンタカーとして貸し出すとか、荷物を運んでゼニにする、というならお金を産み出すことになりますので、資産です。

クルマでハッタリをきかす必要のある商売でしたら、中古ベンツの減価償却で節税という考え方もありますが、大家業が羽振り良さげ見せかける必要もないですね。

中古の軽バンがいいです。

不動産は資産か負債か

不動産もロバートキヨサキ流に考えると、賃貸物件を所有するのは資産ですが、マイホームは負債です。自分が住んでいたら、お金を生み出しませんので。

高級インテリアは、維持費はかかりませんけど、コレクションしていくのにお金ばっかりかかりますので、資産というより、負債に近いんじゃないかなあ。

ただ賃貸物件の価値を高めるための付属品にするというなら、資産かも。

不動産投資がうまくいって、有り余ったお金を車趣味につぎ込むのはいいかと思いますけど、投資家であるなら、車趣味もゼニにする感覚が必要ですね。

私の知っている人では、古物商許可証をとって、珍しい古い外車などを乗って楽しみながら、転売して儲けている人がいました。

ゼニになるかならないか、この感覚が大切と言えましょう。

・・・とはいえ、人生の最期になった時、これでよかったのか？　という気分になる恐れもありますので、ほどほどのバランスも大切かもしれません。

ゼニの亡者になって、楽しみのない人生も、これまた残念なことです。

父が好きな車、ミニを買ったのも、このくらいならOKだと思います。