新築マンション投資に引っかかるな、というお話につづき、悪辣な不動産デベロッパーの罠にかかっちゃダメですよ、という話ですが、今度のターゲットはサラリーマンじゃなくて、土地持ちの資産家です。
お誘いのトークは、こんなのです。
「空いている土地を活かさなかったり、古いアパートのままではもったいないです。新しくマンションを建てましょう! 相続対策にもなりますよ!
お金のことなら大丈夫。いい銀行を紹介します。
しかも、建てたマンションは、当社が一括借り上げをして、家賃収入は保証いたします。しかも、30年も!
こんなリスクのない、いい投資はないでしょう! やらねば損です。今すぐに!」
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一括借上の落とし穴
これは、罠です。
例によって誰が儲かるのかを考えましょう。
それは、建設会社と銀行です。建設会社はマンションの工事代で儲かって、銀行は融資の金利で儲かります。
でも、不動産屋は、空室でも家賃を保証するというリスクをとってるじゃないか、といえば、そうでもなくて、満室にならねば、自分のとこの新入社員の社宅とか寮みたいにして住まわせたりします。
満室は偽り
社宅ならば、会社負担が多少あったとしても福利厚生費で経費にできますし。(もしかして家賃分まるまる、新入使い捨て社員の給料から、天引きにしているかもしれませんけど)
営業ノルマのきつい不動産屋の新入社員は、辞めるのが早いです。
するとマンションに空き室が出ます。いちど人が住んだら、もう、中古マンションなので、一般から入居者を募集するには、家賃を下げないといけません。
でも、立地が悪ければ、家賃を下げても人が入らない可能性もあります。
家賃の額は保証していない
一括借り上げとはいいますが、同じ家賃を保証しているわけではなく、契約書には、相談の上、家賃の額は変更できると書いてあります。
オーナー側とすれば、家賃を下げられたら、融資の返済に追いつきませんので、そりゃ困るといいますが、話し合いが決裂したら、一括借り上げの契約は打ち切ることができるとなってます。
もともとある土地に建物を立てるのが目的なので、集客のしやすさなど考えて作られたわけでもなく、普通に入居者を募集しても、部屋が埋まりません。
不動産会社の社員がみんな出て行ってしまえば、まるきりガラ空きになりますね。
売却すれば大損
毎月の借金の返済に耐えかねて、売ろうとしても、辺鄙な郊外にある安普請の中古マンションは二束三文です。先祖代々の土地だったりすると気分的にも売りにくいです。
諦めて売ってしまったら、残ったのは借金だけということになります。
こんな問題がたくさん発生しているようです。
私の知っている土地持ちの奥様からも相談を受けたことがありまして、引き止めたついでに、相続の専門家を紹介いたしました。
この奥様は、ご主人が不動産事業を経営されてたんですけど、ご主人が入院されて、奥様がよくわからないまま切り盛りされてたんですね。悪徳デベロッパーには、そこにつけこまれている感じでした。
ホントに、甘い話、うまい話には裏がありますわ。
誰が一番儲かるんだ、と、シミュレーションすれば、冷静に判断できるかもしれません。