不動産投資とは

今回は、そもそもという話になりますが、不動産投資とは、大家業とは、一体何なのかというところを考えてみます。

この一番はじめのマインドセットといいますか、キホンのキを知らないで、いきなり初心者が融資を受けたりしてリスクを取ると、失敗のもとになるんじゃないかと危惧しております。

ただしこれは、三代目BONBONこと私が、二代目の母より学んだことです。

私もだんだん不動産投資に馴染んできて、やたら、融資を受けて大型物件を買おうというような話をしだした時に、母よりたしなめられたというか、説教されてでてきたのが、このお話。

巷で売られている投資ノウハウの書籍や、ネットで見る情報とは大分違っていると思いますので、受け入れるか受け入れないかはアナタ次第。

Contents

不動産投資はリスク分散

不動産投資は、その昔の江戸時代かそれ以前かわかりませんが、商売人のリスク分散であった、と母より聞きました。

商売、事業は、順調に見えても景気の動向やら、不祥事やら、いつ何があって転落するかわかりません。

現代のネットビジネス界などでは、ポッとでてきて、わっと儲かって、先のことを考えずに羽振りよくして、税金も払えない、というような話も聞きますが、それは、とっても思慮の浅いことでして、昔の商売人は、順調のときこそ、ピンチに備えていたのですね。

その一つが、不動産投資というわけです。

稼いだお金で家を建てて、人に貸せば、家賃収入があります。万一、本業の事業が傾いても、家賃収入でしばらくは食っていけます。つまり目先の生活費稼ぎにあたふた奔走しなくていいわけで、時間を稼ぐことができます。

腰を据えて、本業を立て直すとか、商売替えをしようとか、できるわけなのであります。

BONBON家の場合

BONBON家も最初から大家さんだったわけではなくて、もともとは桶、樽製造業でした。

醤油や造り酒屋の多かった地域だったので、結構うまくいっていて、かなり羽振りよく、私の父は幼少期、それこそ本当に、職人さんたちから「ボン」と呼ばれていたらしいです。

しかし時は昭和初期、まもなく戦争を迎えます。

軍需産業じゃないので、だんだん売れなくなってきます。

そこで、当時のBONBON家のビッグボス、大お祖母様が、貯まっていた現金や、資材を、不動産建築に回したのですね。(ですので、BONBON家の所有物件には、昭和17年とか18年あたりのが多いです。)

借地の上にではありましたが、かなりアチラコチラに分散して家を建てました。

戦争末期には大空襲があり、本業の桶・樽工場は全焼、戦後も復活することはなかったのですが、分散して建てていた不動産は残り、未だにBONBON家を支えているのであります。

本業が復興していないので、戦後70年、未だにつなぎ期間中という感じですね。

不動産投資は本業ではない

そういうわけで、不動産投資は本業あってのもの。

専業大家というのは、本来あるべき姿ではないのです。あくまでもツナギなのです。

現代の融資システムを利用して、レバレッジを効かせて、ゼロからのスタートでも、ウハウハしている人は、たくさんおられますけど、それは歪んだビジネスモデルです。

(私が言っているんじゃありません。母です。)

いちど、レバレッジ抜きで考えてください。

キャッシュで不動産を購入したら、元を取れるのは、10年後とか20年後です。ぜんぜん割の良い投資じゃないです。

転売で儲けるのも不動産投資の一つですが、これは仕入れて売る、という考え方になりますので、投資というより、販売業ですね。

BONBON家の場合も、地道に桶樽を製造販売していたときのほうが、キャッシュは増えていたのです。

私は、サラリーマンの頃から、金持ち父さん貧乏父さんシリーズは読み込んで、やっぱり目指すところは、投資家だよなあ、と思ってましたけど、そんなん言ってたら、母に説教されますね。

(そういう母は専業大家ですが。)

不動産投資は節税のためでもない

江戸の昔に、建物を建てれば減価償却分が年貢から控除されるというような制度があったのかどうかは知りませんが、あったとしても、不動産投資の目的は節税ではなく、あくまでも、リスク分散です。

不動産投資初心者のサラリーマンに向けて、「節税になりますよ。」という、新築マンション投資がありますが、この、そもそもの話を知っていれば、おかしい、と思えてきます。

借金して、利益も出ない収益物件(?)を購入するなんて、リスクをわざわざ増やしているようなものです。

銀行への返済に追われるより、税金を払っている方が、気分的にも健全です。

所得税は、儲かってなければ払わなくてよくなりますが、銀行への返済は堪忍してくれません。固定資産税はもっと勘弁してくれません。

一生懸命働いて、お金が貯まった、現金で持っていても目減りするばかり、じゃあ、多少でも収益を生む不動産に替えておこうか、というのが、不動産投資のあるべき姿です。

失業した時、現金しか持ってなければ、切り崩していくのみですが、リスク分散として不動産に替えておけば、元手は土地建物のまま残って、収益で食っていけます。

しかし、借金して利回りがマイナスの新築マンションを購入したとしたら、リスク分散されているどころか、失業したら負担がもっと増えます。

不動産投資で失敗する人

私の身近にいる不動産投資家は、先代が大きくしたのを引き継いでいるという人が多いのですが、デベロッパーの言いなりになって、失敗したって人の話はききます。

旦那さんの資産を引き継いだ奥様が、知識のないところにつけこまれるのです。余っている土地や、古い建物をこわして、マンションやら高齢者住宅を建てたら、儲かりまっせ、という悪魔の囁きです。

そんなお金はない、といったら、グルの銀行員がお金を貸すといいまして、まんまと罠にハマって、建てたのはいいけど、入居者が入らないもんで収益にならず、大損というお話。

儲かるのは、建築屋と銀行屋です。

借金をして、というところで、無理がでてくるのですね。

不動産投資は、欲張って儲けを狙うのは、おすすめできないのです。たちまち難易度が上がります。

リスク分散になるかどうかと考えるのが良いです。

(私が言っているのではありません。母の意見です。)

不動産投資は不労所得?

不動産投資は不労所得というお話もありますが、これは、たしかに労働量は少ないなあと思います。

BONBON家では家賃の集金や、庭木の剪定、ゴミの回収にまわったりしてますが、これらは管理会社に任せることのできる業務ですね。

BONBON家では管理会社を作って、スタッフも家族なわけですが。

それにしても、入居者の入れ替わりの時の契約だとか、リフォームだとか、そんなに毎日ある仕事でもなくて、ラクラクです。

昔は、家賃滞納とか、ヤクザの追い出しとか、苦労が多くて、不労所得ならぬ苦労所得だという話ですが、今はそんなのは事前に予防できるので、楽になりました。

不動産投資は、あくまでも本業あってのリスク分散と考えれば、そんなに手間隙かかるものであってはならないのです。

現在のBONBON家は、管理業務が本業と言えないこともないですが、それではやっぱり、儲かっておりません。

本業と言えるものを復活させないといけないなあという気もしないことはないです。

桶、樽は、いまさらという気はしますけれど。

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コメント

  1. しげ より:

    なるへそ!! うちの母と違ってちゃんと考えてはる。 うちのオカンは何も分かっていないのに偉そうに言うだけです。
    うちの本業は自転車工場でした。 そして副業で借家です。 そしてカルチャーセンターです。 

    賃貸業は税金との戦いだと思っています。 儲かっていないのに利益(っぽいの)が出て税金を払わなければならない。 もう嫌です。 

    • BONBON より:

      自転車工場のリスク分散だったのですねー。
      やはり先代は、よく考えて借家業を始められたんだとおられたんだと思います。
      不動産を増やせば増やすほど税金に負われて、何をやっていることやら、というお客がいると、銀行の支店長から聞いたことがあります。
      ほどほどが良いですね。

  2. しげ より:

    そして僕の本業は何なのでしょうか?