マンション建て替え話の連載中ですが、今回は、ちょっと日常の業務のお話。
外国人のお客様が増えました。お客様っていうのは賃借人のことです。
賃借人を「店子」っていう意識は、これからの大家業には合っていないような気がするんです。店子は子も同然、大家は親も同然、みたいな時代じゃないですね。長期契約のレンタル客です。
長期契約のレンタル客に、外人が増えてきました。
以前から、在日韓国人の方はおられますが、こちらは日本人とそう変わりません。退去チェック時、あちこち蹴り破られていて、激しい夫婦喧嘩の跡やなあー、だいぶん弁償してもらわなあかん、みたいなのはありましたけど。
新しく入られたのは、まずはネパールの方です。空き店舗にカレー屋さんで契約されました。
ネパールにもカースト制度はあるそうで、ネパール人のBさんは、上から2番目の階層に所属されるらしいです。国外でビジネスをするような人は、そのあたりだそうで。
日本語は達者で、温厚な感じですが、ここが3店舗目というからやり手ですね。契約前に既存店に隠密調査で食いに行きましたら、手狭なガチャガチャしたかんじの店に、大学生たちがいっぱいで繁盛しておりました。
うちは、その店よりだいぶ広いので、ちょっと高級志向のインテリアになりました。大きなモニターに、ネパールの踊りの動画が流れております。
古い住宅街なんで、繁盛するか心配でしたが、けっこうはやってきたようです。温和でユーモアのあるBさんは、近所の有閑マダム達に、人気者のようです。
商売上手なんですね。ネパール人って。
私も毎週、金曜日はカレーの日です。ネパールカレー、辛口でも甘みがあって食べやすいです。チャイとかラッシーにも、すっかりなじみました。
店のスタッフも全員ネパール人です。というか親族だそうで、先日、店の裏に生えている琵琶の実を食べてもらってもいいですよ、と声を掛けたら、親族一同20人くらいが大集合して、木登りして、大試食大会でした。
他のテナントの日本人は、だれも食べようとしなかったので、ここまで盛り上がってくれると嬉しいですね!
Bさんは「これ、スーパーで一個100円ですね!」と経済にも詳しく、まだ日本語に慣れない若者は、「ピワ、ヒワ、ビワ?」発音を練習していて、なんだかほほえましい。
琵琶の木の周辺の空き地にも、なんか栽培したいというので、どうぞどうぞと言っときました。
日本でのビジネス、楽しく家族ではやらせて、日本国家にしっかり納税していただけるよう祈っております。
もう一組は、ミャンマー三人娘です。
契約者は、日本の介護の会社です。つまり、ヘルパーとして雇用した外国人労働者の寮施設みたいな感じですね。内見もなく、いきなりの契約でした。
話によると、100人くらい外人をかき集めたそうで、いちいち現地確認もしておれなかったんでしょう。
20歳前後の三人娘で、日本語はたどたどしく、玄関土間には裸足で下りてくるし、日本文化をよくわかってないなあというかんじ。
ホームセンター仕様らしき安っぽい家具一式が来たのは、入居後一カ月ほどしてから。
しかし、エアコンとかは、なし。
うちの実家がすぐ裏にありまして、なんかあったら気軽に言ってちょうだいねと声をかけていたからか、夜中に、ミャンマー娘が、BONBON母に助けを求めてきたそうです。
仲間の一人が具合が悪い、と。
雇用先の担当者に電話しても、なんも反応がなく、しょうがないので救急車にBONBON母が付き添って、病院に行きました。
私にも連絡があったので、ちょうど飲み会中だったのですが、二次会にはいかず病院に行きました。
診察の結果、妊娠はしていません、よくわからんけど、薬出しときます、みたいな感じで、タクシーで帰宅。
私が思うに、熱中症とか、ストレスとか、そんなんじゃないでしょうかね?
三人助け合って、頑張っていただきたいですけど、このミャンマー娘たち、日本を好きになってくれるだろうか?
私にはどうも、奴隷として連れてこられたように思えてしまいます。
収入の半分くらいは、実家に送金するのだそうで、出稼ぎではありますが。
雇用は5年契約だそうで、五年経ったらミャンマーに帰るんでしょう。
もしくは、帰ったことにして、年金脱退一時金をボーナス代わりにもらって、おばあさんになるまでタコ部屋暮らしで、将来は生活保護受給者になるのであろうか。
雇用先からは、後日も連絡はないし、ロクな会社じゃなさそうです。使い捨て外人くらいに思っているのかも。
ここらではまあまあ大手の介護の会社でありますが、ここの世話にはならん!
なんだか気の毒なので、中古の扇風機でも差し入れしてあげようと思ったのですが、扇風機は新品が安かったので、新品を寄贈しました。
せめて夜はよく眠れますように。
昔の大家と店子の関係って、こんなかんじだったのかな?